【8時間労働は大嘘】船乗りの労働時間の実態を公開します

マガンダンウマガ〜、どうもボットムです!

先日このようなツイートをしたところ、色々な意見をいただきました。


批判もありましたが、別に海運業界に悪く言いたい気持ちはありません!

ただ都合の良い話や魅力だけを聞いて、いざ乗船してから心を病んでしまう人がいるのは問題だと思っています。

なぜなら私もその内の1人で、外航船員になる夢を叶えたのに理想とのギャップに苦しんで2年で辞めてしまったので…

今回の記事では船乗りの労働時間の問題点を元航海士がしっかり解説します!

ボットム猫
ボットム猫

魅力がある世界だけどダメなとこもしっかり確認しよう!

仕事は8時間!は大嘘

2021年現在、船乗りになりたい!と思ってググったら出てくるのはトップはこのサイトでしょう。基本的には大変わかりやすくて素晴らしいサイトです。

船乗りの仕事 一覧:船乗りになる【海の仕事.com】
海の仕事.comは「海の仕事」に関するするポー&#12...

ただ一つエゲツない嘘をついてしまっています。ワッチは4時間×2回なので原則として労働時間は8時間!とのたまってる図の所です。

断言しますがワッチ以外休み放題な船はこの世に存在しません。

例として外航の三等航海士のワッチ以外の職務を一部列挙してみましょう。 

・救命設備の整備管理

・甲板機器の整備

・航海日誌など書類管理

・Weekly, Monthlyのチェック

・入港書類作成

・船員の書類管理

・入港準備

・官憲対策

・インスペクション対策

・水先人案内用意

・荷役

・文房具管理

・Capt.に頼まれた雑務

・C/Oに頼まれた雑務

・2/Oに頼まれた雑務

などなどなど…まだまだあります。

これは休んでる間に誰かがやってくれる訳はありません。全て三等航海士がワッチ以外の時間に1人でやります。

はい、ということで休めません。寝られません。

では何故どのサイトもポスターも8時間労働とアピールとしているかと言いますと、国際条約で労働時間が厳しく(笑)取り決められているからです。

この世で今も動いている全ての船は書類上ではオーバーワークはしていないことになっていますので、公的な立場の広告などではホワイトな感じで描かれてしまっています。

ボットム猫
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闇が深ぇんじゃ…

残業時間は基本的に過労死ライン超え

先程1. でも触れたように船の仕事は給料がいい代わりにめちゃくちゃキツイです。

残業時間の過労死ラインは2~6ヵ月間平均で80時間とも言われますが、船乗りの残業時間は大体これぐらいだと思って下さい。

8時-12時のパーゼロを担当する三等航海士は一般的にタスクが残っている限りは13時から17時までは毎日働きます。

(※基本的にタスクは無限にあります)

計算してみましょう。晩ご飯から20時までは休めるとしましょう。運良く忙しい入出港も一ヶ月間ないとしましょう。

(※ほぼ有り得ません)

これで運良く毎週日曜日に(計4日間)船内休暇がもらえたとすると……

毎日残業4時間×27日=108時間。余裕で100時間超えてますね!

船の上にはタイムカードもないので明確なソースを出すことはできませんが、少なくともこれぐらいは覚悟しましょう。

ボットム猫
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基本的に過労死ライン超えってパワーワードすぎ……

6時間以上寝れる日は少ない

上の説明で既にお察しのように睡眠時間もガシガシ削がれます

船の動静は人間の生活リズムはガン無視ですので、入出港のタイミングによっては寝ずに2日以上働くということも稀にあります。

では航海中は寝られるかというと、ワッチ後には引き継ぎと巡検が必ずあるため終業時間ジャストに自室に帰ることは100%不可能です。

そしてその後も仕事があったり飲み会に参加したりと、やることが発生してなかなかベッドにたどり着けません。

Mゼロがある会社の機関士になれば寝られるのでは?という考えもあるかもしれません。しかし機関士は航海士と比較して翌日の仕事の予習や準備が重要なことが多いため意外と忙しいのです。

中には夕飯のあとに公共スペースで勉強しないような三等機関士を良しとしない機関長もいますので油断は禁物です。

自分の趣味(一人飲み、映画鑑賞、読書など)を船内でも続けたい人は睡眠時間を削る覚悟が必要かもしれません…

ボットム猫
ボットム猫

仕事ができる人ほど睡眠時間も確保できます

まとめ

いかがだったでしょうか。

繰り返しになりますが、船乗りを目指すな!今すぐ考え直せ!と言いたいわけではありません。

このような実態は海運会社のホームページでもなんちゃら協会のポスターにも絶対に書いていませんし、就活をしていても誰も教えてくれませんので事実として確認していただきたかったのです。

他の記事では船乗りの魅力も発信していきますのでそちらも参考にしてください!ではでは!

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