マガンダンハポン!ボットムです!
皆さん、「船乗り」と聞いて、「大変」「キツイ」というイメージはお持ちでしょうか。
魅力もロマンもたっぷりな仕事ですが、肉体労働、睡眠不足、船酔いなどなどキツイ点もあります。
今回は僕が航海士になってから気が付いた本当にキツイこと3選をまとめてみました。
ネットを満足に見れない
まずはこれですね。
船乗りを目指すのであれば、乗船中はインターネットをある程度我慢する覚悟が必要になります。
なぜなら、海の上で4G回線などは使えませんので。
船乗りは家族や恋人と頻繁に連絡を取るのは難しいです。
例えば、内航であれば港に着いた時と陸が近いときしかネットを使えません。外航は衛星通信で使える船内wifiを解放している会社が多いですが、1日数百MBなどで制限がかかることが多いです。
しかも遅い。LINEのスタンプすら読み込めないこともあります。また、wifiを設置するのは会社の義務ではないので中には全くネットを使えない船もあります。
ということで、陸で待つ家族や彼女には寂しい思いをさせてしまう為、事前にそのことを伝えてあげましょう。
ちなみに、私は連絡が取れないのをいいことに彼女に浮気をされる船乗りを何度も見てきました。乗船中に婚約破棄が勝手に確定していた知り合いも2人知っています。
(僕は2年しか船乗りをしていないので中々の頻度…)
船乗りの方もご注意を……
みんな動画や音楽を大量にダウンロードしてから乗船します
親の死に目に会えない
前提として、日本の会社では万が一船員の身内に不幸があった場合は可能な限り早く下船させるよう最善を尽くしてくれます。
しかし、太平洋のど真ん中にいる時に訃報が届いたりすれば速やかな下船は不可能になってしまいます。
私も中東にいるときに友人の訃報を聞いた経験があります。自分が海の上にいる時に聞いてしまうのは、満足に電話もできずに焦燥感や悲壮感が募るばかりで覚悟していた以上に辛かったです…
船乗りを目指すにあたっては、愛する両親や祖父母の最後を看取れないリスクがあることを覚悟しましょう。
ちなみに私は船会社の面接でも「親の死に目に会えないこともあります。それでも船乗りになりたいですか?」と聞かれたことがあります。
それぐらい会社と船乗り、双方にとって重要な問題なんですね。
休暇になれば会いたい人とゆっくり会えることは大きいメリットですけどね!
死傷者率は陸の三倍
忘れがちなのがこの項目です。船乗りの死傷者率は陸上で働くサラリーマンの三倍といわれます。
航海訓練所の練習船に乗ったことがある船乗りの卵ならわかると思いますが、機械や自然を相手にする船には危険がいっぱいです。練習船とは違ってプロとして乗船するとなれば、自分と仲間の身を守ることも重要な職務の一つになります。
特に機関士は回転物、高電圧、高温、重量物、高所作業、化学物質、など取り扱う機械や作業環境は危険のオンパレード。誤解を恐れず言えば、気を抜いて作業をしようものなら手指の数本が一瞬でなくなるような環境にいると言えます。
航海士であれば大丈夫かと言えばそんなことはありません。
入出港時に船のホーサー(係船ロープ)を扱う際は巨大な船を繋ぎ止めようとホーサーに力が強くかかるため危険です。指揮や仲間とのコミュニケーションを一歩間違てホーサーが切れて跳ねれば、死亡事故も起きます。また、航海士は高所作業も日常茶飯事です。
私は現職では船舶管理の仕事をしてますが、怪我や緊急搬送のレポートは数ヶ月に一度ペースの日常茶飯事。残念ながら死亡事故も数年に一回は遭遇します。
前職でも僚船の仲間が機械に挟まれて亡くなった時の写真を実際に見ました。
これまで脅すような内容で申し訳ありませんが、もちろん日々安全第一で作業をすれば自分の身の危険は防げます。
自分の安全のためにも船は危険であるということを念頭に置いてほしいと思います。
まとめ
いかがでしたか。
私もこれらのことは船乗りになる前から頭ではわかったつもりでいましたが、いざ自分が直面するとかなり肉体的・精神的なダメージが大きかったです。
船乗りを目指すしている方は一度よく考えて、家族や恋人と一緒にこの三点について話し合っておくことをオススメします!
気になる労働時間についてはこの記事でまとめてるのでご参考まで!
https://bottomblog.com/to-be-seaman/check-demerit/
ではでは~
コメント